寄与分(2) 横浜,安田法律事務所 ☎ 045-651-9631

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代襲相続と寄与分の主張

たとえば、父親が祖父の家業を手伝い特別の寄与をしていた(寄与とは貢献したということです)。父親が先に亡くなり、その後に祖父が亡くなった場合。この様に、被相続人よりも先に子供が亡くなった場合は、その子供の子(被相続人からみると孫)が代襲して相続します。これを代襲相続といいます(民法887条2項)。代襲相続の場合には寄与分はどうなるのでしょうか。

代襲相続の場合は、被代襲者(この場合は父親)の相続分を受けるものであるので、もし被代襲者が生きていたら主張できたはずの寄与分も代襲者(この場合は子供の子)は主張することができます。たとえば,父親が祖父の事業に特別の寄与(貢献)をしていたが,父親が先に亡くなってしまった。その後に祖父も亡くなったが,もし父親が生きていれば祖父の相続のときに寄与分を主張できた場合は,その父親が主張できたはずの寄与分を子供が主張できることになります。そこで父親が寄与分を有していたか、特別の寄与をしていたかどうかが大きな問題になります。

「特別の寄与」とはなにか

相続人の寄与分が認められるためには「特別の寄与」であることが必要です。「特別の寄与」というためには、被相続人(亡くなった方)と相続人の身分関係(親子とか夫婦という関係のこと)に基づいて通常、期待されるような程度を超えた貢献であることが必要です。つまり「通常、期待されるような程度を超えた」ことが「特別の寄与」ということです。

親子・家族はもともとお互いに協力しあって生きているものですから、被相続人の財産維持や増加に貢献した家族の行為はいろいろとあるものです。そういう貢献のうち、親子や夫婦といった関係に基づいて通常期待されるような程度の貢献は相続分自体において既に評価されているので、寄与分とは認められないのです。

親子と夫婦で「特別の寄与」が違うこともある

身分関係に基づいて通常、期待されるような程度」を超えたかどうかが「特別の寄与」になるかどうかの基準になりますから、身分関係によってその程度が変わることになります。夫婦間の協力扶助義務(752条)は、親子間の扶養義務という直系血族としての一般的な扶養義務(877条)よりも程度が高いと考えられるので、同じことをして同じ貢献をしていても、夫婦間では「特別の寄与」に当たらないが、親子間では「特別の寄与」にあたるということもあり得ることになります。個別事情で大きく変わる可能性があります。

寄与によって被相続人の財産が維持または増加

これは相続人の寄与(行為)によって、被相続人の財産が増加した、被相続人の財産が減少することを防いだ、被相続人の債務(借金)が増えることを防いだ(債務が減少した)という意味です。寄与分というためには、このような財産上の効果(経済的な効果)が発生したことが必要です。普通は財産が増えたか、財産が減るのを防いだというのが多いでしょう。精神的に貢献した場合は寄与になりません。

先行する相続を放棄したことは寄与に当たるか

たとえば父親が亡くなったときに子供の一人が相続を放棄したために、その分だけ母親の相続分が増えた場合、その後に母親が亡くなったとき、父親の相続のときに相続放棄した子供は寄与分を主張できるかという問題です。

相続放棄の動機には色々なものがあるので、原則として寄与分として認められにくいですが、相続放棄のときの事情により、また先行相続からあまり期間が経過していない場合には寄与として認められる可能性もあります。

療養看護型の寄与分算定方法

療養看護型の場合は、相続人が被相続人を療養看護したために第三者に支払うべき療養看護の費用の支払を免れたのが寄与に当たります。そこで、第三者の日当の金額×療養看護した日数×裁量割合という計算式で具体的寄与分を導くのが一般的です。しかし、普通の家庭では親の療養看護をしてもそれを記録している人はいません。立証がとても難しいです。

 

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弁護士 安田英二郎 

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